2011/04/26

引越しできない女

私の部屋をみた人は必ず「これは引越しできないね。。。」
と言いますが、そんな私が人生初の引越し体験をしてしまいました。
いよいよ工房のお引越し!わずか徒歩1分の場所に引っ越すというのに、
荷物はしまわなきゃならない。というわけで、
いくら積んでもダンボール、ダンボール、そしてダンボール、、、、
私もダンボールに詰められてどこかの温泉にでも運んでもらいたい、
と幻が見え始めた頃、引っ越し屋さんのお兄さんたちが到着し、
ものすごい勢いで運んで、運んで、そして運んで、、、、
しかし、後半なぜか人が倍に増えていた。さすがに応援を頼んだ模様。
というわけで、嵐が去ったあと、今度はダンボールを
空けて、空けて、空けて、、、そして今日まで空け続け、
ブログが滞っていたという訳です。

かなり片付いて全貌が見えてきた本日。
日々内装を続けてくれている師匠の腐れ縁さんは
もはや仙人の姿で、後光がさしているような。。。
違いました。新工房は光が沢山なのです!
そして夢も沢山、やる事も沢山!

この場所で新しい気分で靴作りが出来ると思うと、
期待に胸がふくらみます。
今朝、無意識に旧工房の方へ向かいそうになりましたが、
場所が変わってます~
皆様、ドント ミィス イット!

以上、引っ越し出来た女より、近況報告でした。
やっほーい!

K

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2011/04/18

銀ぶらり

暖かな一日でした。 久々都心に出て、初めて靴を学んだ学校の仲間で 数年ぶりのランチをしました。 しかし都会の休日、通り行く人の足が気になります。 ピカピカに磨いた靴で全身ピシッと決めているけど 接地がえらい外に傾いてるな、、、 なんだかいい大人みんなスニーカーだらけだな ~ 女子のリアル革靴人口少ないな、、、 方やムートンブーツ、方や素足にサンダルかぁ 、、、その傾いたパンプスやめたらきっとふくらはぎ細くなるのに、、、 とか、とか。余計なお世話かも(笑)。   先日仕事帰りに見かけた、白髪のご夫人は  エナメルの黒いロングブーツにチャコールグレーのフランネル地の 膝下丈スカートとの上下を合わせて、 耳には赤い貝殻の揺れるイヤリング。 あんまりに素敵で、思わずナンパしそうになりました。

そろそろオトナのおしゃれを実践したいお年頃ですが、 なかなかピンとくるものがないまま、うろついて疲れ果て。 結局学生時代と変わらぬ場所でワイン一杯飲んで、 「変わることって、自分を客観視することからなのね。。。。」 と、 いつ来ても同じ席にいるマスターを背中越しに眺め、 自分らしさと変化の狭間で揺れる休日でありました。 K


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2011/04/13

新調気分

震災から一ヶ月、数日前に咲いた桜は もう舞い散り始め、否応なく過ぎていく時間の速さを 感じながらも、帰り道桜並木の中を自転車で走っていると 途端に今をかみしめられる喜びでいっぱいになります。 今日はジブン春気分を盛り上げるため、 しばらく前に作ったTストラップシューズを履いて出かけました。 私はかかとが小さく、自分用の木型も一足作っては削り、 2足目でさらに削り、、を繰り返してきましたが、 今日履いた新作は家を出て30分後には かかと外側が痛くなり、「削りすぎたかも。。。。」と 一瞬ブルーになりましたが、最近足首が狂ってきていて 傾斜しているのを思い出し、工房について早速かかと片側にソックを いれたところ、あら不思議!痛みは消え、さらに削れそうな隙間も 出てきました。自分では自分の足が見れないのが難点です。 木型を足にあわせていけばいくほど、小さな当たりが気にかかるようになりますが、 単にきついから当たっているとは限らず、接地点からの脚の角度の問題だったり、 当たっている場所とは別の場所で革がひっぱられているからかもしれないし、 通常の靴の場合はゆるいから逆に足が動いて当たる場合もあるだろうし、 同じ足でも作るごとにさらに木型は進化してゆけるものだと改めて実感しました。 昨日フィッティングでいらしたお客様も 最近購入された既製靴にソックをお入れして、 随分楽になったと喜ばれていらっしゃいました。 でも、仮縫いを終え、本番の靴が出来上がった際には、 今まで知らなかった履き心地を感じていただけたら、、、 と楽しみに思います。 工房内では引越し準備が本格化しています。 今日壁もきれいになった新工房を覗きにいきました。 桜吹雪が窓から見下ろせる明るい空間! 新しい再スタートに向けて、毎日様々な人が工房内に出入りし、 人とのつながりがあってこうして一つの場所を作り上げて行けるんだな、、、 って、当たり前のことだけどすごいことに気づいて 私もこの先、何かと誰かと繋がっていけるような気がして 勇気をもらう様な、泣きたいような、、、、 これが春ってものなんでしょうか。。。 浮つかないように、 どこか浮ついています。。 K http://www.benchmade.jp/acousticshoes/

2011/04/08

春の嵐

もう前のことになりますが、日曜教室で出来上がったBabyshoesたち。 Mさん写真ありがとうございます。楽しかったですね。。。皆でわいわいと、一日があっという間で。 もうすぐ工房も引越しです。 5月から新しい場所で気分新たにまた靴作りが出来るのが今からたのしみです。今は事務手続きなどで、なんだかんだと師匠はてんてこまいですが、きっと今よりさらにみんなテンションが上がることまちがい無しです!引越しイベントでまた日曜教室も出来ればと思います。何をするかはこれから考えます!(笑)その際はみなさま、こぞってご参加くださいませ。人が集まるってことが元気の素になるといいですね。 日々は過ぎ、桜は咲いて、様々な思いをのせて始まる春です。今、目を閉じて見えるのはブローグの脇に一針ずつ落ちて進んでいくいくミシンの針。すでにある美しいものを、見て見て見て、真似て追って、手が自分の全感覚と共に動くようになるまでまだ先は長いと感じる今。私に今まで足りなかったのはクレージィさでなかったかと思う。 クレージィな人間でなくては自分の専門の仕事において、立派な成果を示す事はできない。と今日読んだ本に書いてあった。ミシンの縫い目が目の前で回る。。。ミシンの音が聞こえる気がする。。。ぐるぐる回る、、、頭がおかしくなりそう、、、クレージィの意味が違う気がする。。。 K http://www.benchmade.jp/acousticshoes/

2011/04/03

小学生の頃、学校の図書館から帰ってきて
自分だけの空間で本を読むのが大好きでした。
と言っても、リビングの窓際にダンボールで囲いを作って、
好きなものだけ並べて作った即席自分空間。
その頃はコロボックルシリーズやドリトル先生が
大好きで、その窓辺が夢の世界に行ける特等席でした。

今でも本は好きなのですが、
自分のアンテナにピンときて買ったものの、
読めないままに溜まって行く本が増えてゆくのが
悲しい。。。

そんな中に須田敦子さんの本がありますが、
一足先に、その世界にはまっている友人が、
素敵な文章があったと教えてくれました。

特別なきっちり足に合った靴さえあれば、
じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。
そう心のどこかで思いつづけ、
完璧な靴に出会わなかった不幸をかこちながら、
私はこれまで生きて来たような気がする。
行きたいところ、行くべきところぜんぶにじぶんが行っていないのは、
あるいは行くのをあきらめたのは、すべて、
じぶんの足にぴったりな靴をもたなかったせいなのだ、と。

『ユルスナールの靴』須田敦子 河出文庫


しかも冒頭の文章というではありませんか!
積んでるだけではもったいない。
読書用ランプを購入したばかりでタイミングもばっちり。
私も自室の特等席ソファで早くこの世界に行かなくちゃ、
ひとまず、いつも我が物顔でこの場所を占領している
でぶネコちゃんをどかさなければなりません。。。。

K

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